A.I.lab(エー・アイ・ラボ)- 人間の、人間による、人間のための人工知能メディア

人工知能の考察、ディープラーニング、機械学習、各種アルゴリズムなど。

人工知能の株取引やさまざまな投資が加速していくと市場はどうなる?

人工知能のプログラミングが少しできるようになると、株の自動取引を人工知能にやらせてひと儲けしようとワクワクした経験はありませんか。

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人工知能によるの株取引

ブログコミュニティーなどで「やってみた」という記事がバズったりして、あたかも技術さえあればボロ儲けできるんだろうと夢が膨らんでいる方も多いのではないでしょうか。

果たして、本当に人工知能を使って株の動向を予測して正答率を保つことができるのでしょうか?

個人レベルでは難しいAI株取引

まず、株取引の前に人工知能の活用について、現時点での課題を整理しておきましょう。現状われわれが考えている人工知能活用の課題は下記2つです。

  • ハードウェアがまだ高価である
  • データ量が足りない

つまり、個人レベルでは限界があり、アルゴリズムをプログラミングできたとしても、資金的な問題や積み上げ時間的な問題が目の前に現れ、構想は構想のままで終わってしまうというのが多くの方の通る道になっているのが現状ではないでしょうか。

つまり、アイディアは膨らむのですが、実現するためには投資が必要なわけですが、そこまでの決意をもってプログラムをつくるという方が少ないため、「やってみた」止まりということなのでしょう。

本気でやっている人は黙々とやっているのでしょう。

法人運用は日本にもファンドがある

人工知能の投資運用は海外では議論がはじまっているほど、活用されていますが、日本ではまだまだ目立った人工知能のファンドというのは少ない印象です。

しかしながら、ないわけではありません。東京大学大学院准教授古庄秀樹さんが、東京大学大学院の松尾豊准教授と共同で、インターネット上のブログなどの膨大な言語情報を解析し、日経平均先物に投資するヘッジファンドを2011年に設立しています。

表にはでていなくとも、すでに多くのAIファンドが設立されていることでしょう。

なお、アメリカでは人工知能による株の「高速取引」について議論がかわされていますが、人間には追いつけない高速取引が市場の公平性を乱すという点が主な論点となっているようです。

加速すれば規制がはいる?

今の状態というのはまだITリテラシーのない人々にとってはブラックボックスとなっている人工知能の技術が理解できないため、規制のしようが無いというのが現状なのではないでしょうか。

ただ、これから目に見える形で、取引の自動化が進んでいくと、きっとナニカが介入していくるのでしょう。本気でやるなら早いほうが良いですね。

結局、未来予測のため、完全はありえない

人工知能によって、人間よりも精度の高い未来予測は実現できることでしょう。ただ、未来は日々の積み重ねによって作り出されています。不確実性のある未来を100%予測するのはそもそも不可能であるというスタンスが基本ですし、その中で複数の運用をしてはじめて冒頭で描いた夢のような出来事が成立すると思うと、現状そう簡単に実現できるものではないということは明らかです。