人工知能の音声認識分野の新星とパーソナルアシスタントの未来
2016年10月、人工知能を使用した音声アシスタントを開発する企業「Viv」がサムスンによって買収されました。
iPhoneなどをはじめとするiOSでは「Hey Siri!」、Androidでは「OK Google!」と2大アシスタントが認知されているなか、新米のVivはどのように参戦していくのでしょうか?
Vivは知能的なインターフェイスを開発する会社
現在、Vivの開発分野はApple社のSiri, Googleの音声アシスタントと同じく、音声認識アシスタントを開発しています。もともと、Apple社のSiriを開発していたチームが立ち上げたプロジェクトともあり、本質的なノウハウは引き継がれている、つまり、Siriとは血がつながっている関係だとも認識することができるかもしれません。
特徴的なのは、どんなアプリや環境でも使えるようにしようというコンセプトです。
たとえば、Siriは現時点でiPhoneやiPad、最新のmacOSなどのみで起動しています。つまり、パソコン内のコンシェルジュ的な立ち位置にあるように見受けられます。
Googleはもう少しオープンで、きっとAPIなどの対応もどんどん進んでいき、人工知能周りのアプリケーション開発にある程度柔軟に対応していくことが予想されます。
さて、Vivの立ち位置ですが、コンセプトだけ見れば、パーソナルアシスタントという言葉が一番しっくりきます。環境依存をなくし、対ヒトに対してサービスを提供する。まさに人間のためのアシスタントです。
もちろん、表面的にはすべてパーソナルアシスタントなんですが、やはり、大企業の管轄となると、完全にオープンソースとして運用するというのは難しいのでしょう。
プロダクトの競争力の一つになりえる技術ですし、それはそれで納得です。
さて、そうした大企業の対抗馬として独立した活動を行っていたVivですが、果たして今後、当初のコンセプト、理念が守られていくのかはわからなくなってきましたね。
サムスンがその技術だけを吸収して、つまらないアプリになってしまう可能性だってあります。一般個人からこうしたオープンソースプロジェクトが発生するのは目に見えている分野なので、やるなら今なのではないかと思いますが、トータルでサムスンに買われたほうがメリットがあったのでしょう。今後の展開を楽しみにしたいものですね。
パーソナルアシスタントの未来
人間をサポートするという意味では、現時点はまだまだ初歩的なだんかいであるといえます。究極的には脳はから人間の意思を汲み取り、思っただけで人工知能が物事を遂行してくれるというのが究極的ではないかなと思います。
ただ、技術力はもちろん、世の中のルールも適合していかないと成立しないのですぐには実現はできないことでしょう。しかし、その一歩として、Vivはとても意味があることをやっているように思えます。(今後はわかりませんが・・・)
つまり、世界の様々なプログラマーやクリエイターがつくる創造的な製品に搭載できる可能性があるということに意味があるのです。
そこが現在のパーソナルアシスタントの可能性を制限している部分であり、また、きっと多くの議論が重ねられているところなのではないかと想像しています。
結局、ヒトは一つ一つの物事を組み合わせて目的を達成していくわけですから、そこが自由になることで、様々なタスクをこなすことができるようになります。
Vivはパーソナルアシスタントの本質的な課題に立ち向かっていくという点で、注目を集めたのでしょう。パーソナルアシスタントの今後の発展に大事な試みなので、理念を保ってサードパーティ対応の多様性を保っていただきたいものです。